さて、スペイン&フランスの旅の最後の目的地は、そうです、パリです。
ワインだけでなく、フランスが大好きな平助さん、今回はもう少しパリの街中も見て回りたい、と思いモンマルトルの辺りに泊まるところを探しました。そして、今回の旅の仲間はとにもかくにも料理のスペシャリスト。彼らの要望もありキッチンの付いたアパルトマンを借りようということになり、ムーランルージュのすぐとなりにあるアパルトマンを借りることにしました。ボルドーからパリへはTGVで3時間半の移動。気温はパリのほうが北にあるけれどボルドーの方が寒いくらいでした。金曜日の晩のパリはとても賑やかで、ムーランルージュに着いた時はたくさんの人だかりの中を分けて進むような感じでした。部屋はベットルーム2つ、リヴィング、キッチン、バス&トイレで4人で過ごすにはスペースも充分にあり快適です。そして、何はともあれ隣にムーランルージュの風車がまわっていてちょっぴりどきどき(あ〜なんておのぼりさん!でもこういう気持ちも大切ですよね!)。さぁ〜、和久井シェフ、幸先生、佐藤君のレストラン探索の再開です。リヨン駅からモントロー行きの電車で40分、日本人シェフの経営するレストラン、テロワール・パリジャン、ルドワイヤンetc。お料理に対する感想や、アイディアは彼ら3人の頭の中ではふつふつと沸いてきたようです。こういうときは皆さん真剣、口数少なく慎重に味わっていました。私はワインとサービスの仕方を自分なりに見てみました。様式美を追求するサービス、カジュアルでありながらも自分らしさを出してくださる楽しいサービスなど色んな形があります。素晴らしいものに触れるっていいことですね。自分の今までの体験を見直すことができ、ひとつ段階を上ることが出来る。今までやってきたことに自分でピリオドを打ち、新しい試みをする決心がつく。本当に百聞は一見にしかず。ってこういうことなんです。どんなことにも正解はないのでしょうが自分のやり方を見つけ研ぎ澄ましてゆく。料理でもサーヴィスでもどんな仕事でも研ぎ澄ましてゆくことの面白さを感じられることは生きていることの幸せでもある気がします。そんな時を彼等と共有できたのも感謝です!
それから、幸先生はこの旅から東京に戻るとその週末にお料理教室を新しくなさったんです。ですから、ちょっとしたインテリアの小物を探しにみんなで蚤の市に行きました。楽しかったですね。ここでもまたいい発見がありました。古いものの落ち着いたよさ、市を出している人との会話、混んでくると肩をぶつけてしまったときのマダムのとても素敵な言葉のかけ方、お洒落上手に生きてるって感じます。そして、そんな空気自体が楽しいって感じます。
本当は翌日、食材を買ってアパートのキッチンで最後の晩餐をするつもりだったんですが、考えていたマルシェがお休みで仕方なくギャラリー・ラファイエットの地価で食材を調達しました。さすがプロ集団!購入したものは、ブレス鳥1羽、子牛、子羊、平目、オマール、人参、ジャガイモ、ミラベル、、、、。ワインは私が選びました、'99のクロ・デュ・マルキ。その日の晩はみんなどういうわけか下ごしらえをしたらあまりの疲れから寝てしまいました。そして出発当日の朝4時、目覚ましを鳴らして起き、早朝にそれらを食べたんです!眠い目をこすりながらも、和久井シェフが造ったオマールのスープ、ブレス鳥のポトフ、平目のソテー、ローストアニョー、ローストビーフ、サラダ、野菜のソテー、、、。を食べました。美味し〜い。野菜の味が濃く、ポトフの味が優しく、この旅でいっろんなお料理を口にしましたが、これこそ最後の晩餐。和久井シェフ、幸先生、佐藤君、みんなありがとうございました。
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